丹波の雑記帳

MtG始めとする週末趣味のブログ

ALRIGHT* ~MR ST@GEと「萩原雪歩」に寄せて

 どうもこんにちは。
不肖ながら雪歩Pをだらだら務めております、丹波と申します。 

 

『THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆2nd SEASON』、その封切りとなる9月15日。13時からの雪歩の初回公演に参加してきました。

 

今回はその感想記事。
 ……なのですが、横浜に足を運ぶ人が増えればという思いで、今年の5月くらいから遡って語っていきます。

 

以下、公演内容についての言及も含みます。
「気になるからネタバレやめてくれ」って人はそっ閉じするか、今すぐ横浜に行くんだ
あと感想と言いつつもとどのつまりはダラダラとしたオタクの一人語りです。

 

ですが、この感情のやり場がわからず、気持ちの整理をつけるためにも書かせていただければ、と。

最後までお付き合いいただければ幸いです。 

 

目次にならない目次

 

1.「アイドルと話せる」現実

天海春香と話せた」。

2018年5月。GW真っ最中のインターネット上をこのクチコミが駆け巡りました。

 

VR(仮想現実、と訳せるでしょうか)の世界はここ数年で飛躍的な進歩と浸透を見せていますが、その流れに乗じる形か否か、横浜のDMM VRシアターでひっそりスタートしたのが『THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆』。

THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆│EVENT│THE IDOLM@STER OFFICIAL WEB | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

 

古さも新しさもまぜこぜにぶつけてくるセットリスト。

担当声優ではなく、主演アイドルの名前が書かれたチケット。

極めつけは、プロデューサーの言葉にリアルタイムに反応する、いつもとちょっと違った、見慣れたアイドル。

 

メタな話をすれば、声優さんがリアルタイムに、アドリブを交えて声を当ててくださっているわけなのですが……劇場にいたのは、紛れもなく私達がこれまで共に歩んできたアイドルたち本人でした。

 

天海春香と話せた」。

 

前評判はなんともいえないラインだったようですが、こうしたクチコミが公演参加者を、公演参加者はさらなるクチコミを引き起こし……わずか1月程度の期間でしたが、いつしか遠方から強行軍気味に参加するPまで現れるほどに進展していました。

私も例に漏れずクチコミでこの公演を知り、雪歩の回へ足を運んだ人間です。

 


最初は雪歩1人のイベントなのか、と思っていたのですが、形態としては765ASのミニライブ&その日の主演アイドルのソロパートとして曲2つとトーク

嬉しいながらも完全に不意打ちでした。現実のステージで、亜美真美2人が並んで立つ姿に(13年目にしてようやく、のはず!)涙腺をやられたりしながら、あっという間に楽しみだった雪歩のソロパート。

 

……のはずが。

 

人間どうやら、嬉しいことも度をすぎると涙も出てこなくなるのかしら。

楽しかったし、グッとくる部分も多かったのですが、一方で色んな感情が渦巻いていて、なんだか喜んで良いのか泣いて良いのかよくわからなくなってしまいました。

 

公演自体が最高だったのは間違いなかったのですが、自分の気持ちがハッキリしないまま雪歩のステージが終わってしまったことに、若干の消化不良感がありました。

そんなこんなで謎のモヤモヤを抱えつつ迎えた、8月のプロデューサーミーティング2018。

 

idolmaster.jp

 

そこで明かされたのは『2nd SEASON』の開催。

THE IDOLM@STER MR ST@GE!! MUSIC♪GROOVE☆2nd SEASON│EVENT│THE IDOLM@STER OFFICIAL WEB | バンダイナムコエンターテインメント公式サイト

そして雪歩が再び主演を務めることでした……それも、初回公演まで!なんだって!?

 

 

2.『2度目』

 『MR ST@GE』についてのクチコミの中で、そしてプロミではハッキリと、Pたちの間で共有された言葉があります。

 

「『次』があるかはわからない」。

 

アイマスというコンテンツは、おそらく誰しもが予想だにしなかった13周年を迎え、そしてこれからも続いていこうとしている感覚さえ抱かされます。

しかし、下世話な話にはなりますが、13年の間にゲームシーンの主流はゲームセンターや家庭用ゲーム機から、スマートフォンで遊べるソーシャルゲームへ変化。

声優さんもスタッフさんも、そして追いかけ続けているPたちも、「年齢」だったりあるいは何か別の「壁」を意識し始めた頃合い。

 

このまま今までどおり雑居ビルの事務所でやっていけるのかなんて、おそらく我々Pはおろか、制作陣たちにもわからないのではないか。

だからこそ、「今」を見つめ、追いかけ、次につなげていかなければならない。

誰しも暗に感じ、しかしおおっぴらに口にしたくはないこと。それが具体的に、残酷さも伴って共通言語となったのが、あのプロデューサーミーティングだったと捉えています。

現に、5月の『1st SEASON』に訪れたPたちの行動原理には間違いなくこれが含まれていたと感じています。

 

そこに訪れた、まさかの『2度目』。

あの時感じたモヤモヤ、その答えを見つけるチャンスを、望外にも与えられた形となりました。

それはさておいても、もう一度体験したいイベントでしたので。気がつけば抽選に申し込み……

9月15日。横浜のDMM VRシアターに、私は再び足を運びました。

 

 

3.開始~トークパート

1曲目は『THE IDOLM@STER 2nd-mix』。

早速8月のプロミが頭をよぎります。もうその時点でだいぶ涙腺に来てたんですがグッとこらえておなじみのコール。

2曲目以降については……割愛。実際に自分の目で見ていただきたい。

いや、多分毎公演セトリは変わるんですがね。そりゃそうじゃ。

 

一つ書くならば、しっかり予習する場合はそれこそ最初期のCDからやらないといけないクラスに選曲の幅は広いです。多分「歴戦の765Pならコールは身体に刻まれてるよね☆」とかそんな感じなんじゃないかな(絶対違う)。

冗談はさておき、アケマス期の曲も最近の曲も聴けるので、「アイマスは追っかけてるけど最近のゲームは触れてないよぉ……」という古参Pは迷ったらとりあえず来ると良いです。新参も来るといいです。というか全員来い(落ち着け)。

 

キャラのモデルも結構サイズ感が現実味あって……いやこれは現実……?現実だ!!現実!!!!

……となるくらいにはすごい。

ソロパートではバックダンサー(あえてこういう書き方しますが「生身の人間」です)との共演。
ここで実際の人物と比較すると本当にサイズ感が現実

かがくのちからってすげー!

 

雪歩のソロ曲が終わると今度はトークパート。お話できるチャンスはココ。

 

トークの流れはアイドル側が相談を持ちかけ、Pがそれに回答。で、アイドルが実演。

たとえば「表現力を練習したい」という相談で「せつなく演技してみて」と回答すると、雪歩が「せつなく」を意識した演技をその場でしてくれます。これが可愛い。すごく可愛い。

 

前回はアイドルから指名してやりとりしてたんですが、これがどうしても前の方にしか指名が行かない。つまり前の方の席を取れないとアウト状態でした。

それを受けてか今回は座席番号を用いた抽選方式に。これならば後ろの席でもやりとりがしやすい。英断!
まぁでも外れる。知ってた。

 

感想見るに、このテーマは公演ごとに変化します。何が出てくるかドキドキですねンフフ。

トリの曲での衣装を決めてほしい、なんて相談に答えたりしつつトークパートが終わると、いよいよ後半戦。

 

 

4.後半~ラスト

後半戦は『ToP!!!!!!!!!!!!!』からスタート。思わずあのプロミ、そしてあの共通言語が頭をよぎる。

そこから『虹色ミラクル』『自分REST@RT』といった、アニメ曲を中心にキラーチューンが続き、あっという間に雪歩のソロパートへ。

 

突然ながらちょっとメタい昔話。

雪歩について、アイマスについて避けては通れない話題があります。

 

それはアイドルマスター2での声優交代と「9.18事件」。

 

先に申し上げておきますと、私は声優交代の一件については当時も今も何も感じていません。ゆりしーの雪歩も、あずみんの雪歩も大好きですし、そもそも「萩原雪歩」が大好きです。

そして同時に、ゆりしーの雪歩、あるいはあずみんの雪歩が受け入れられないという雪歩P、あるいはそれがきっかけで離れていった人についても、批判も否定もしませんし、理解しているつもりです。

 

ですが、「9.18事件」と称されるアイマス2絡みの一件は、確実にアイマスの転換期となりました。私自身も、しばらくアイマスに対するモチベーションが揺らいでいた時期でした。

雪歩が受け入れられないのではなく、2以降のアイマスが、どこか受け入れられないといった感情。雪歩は大好きなのに、ですよ!人間不思議なもので。

 

この私自身の「わだかまり」については、後に友人Pから勧められたアニメをきっかけに(ああ、これも当初は否定的な目で情報を見ていました)ほどけていくのですが……それは置いておくとして。

少なくともそれだけの影響をもたらしたこの転換期。
事実、これがきっかけでアイマスを離れた人は存在するはずです(もちろんこのことには否定も批判もありません!離れるも留まるも自由ですから)。
逆にこれ以降「765ASに触れた」という人だってたくさんいるでしょう。

 

さて、個人的にですが、この「転換期」の雪歩を象徴すると感じている楽曲があります。

それは『ALRIGHT*』。

 

最初のアルバム収録となったのは、ゆりしー雪歩期の『MASTER SPECIAL 04』。

THE IDOLM@STER MASTER SPECIAL 04 萩原雪歩 四条貴音

位置づけとしてはPSPの「アイドルマスターSP」に紐づくCDシリーズ、その一つです。
そしてこの「SP」は、ゆりしー雪歩を育成できる最後の作品。

所変わって、アニメの第3話では劇中歌としてあずみん雪歩により『ALRIGHT*』が歌われています。

アイドルマスター|THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 02

こちらのほうがおそらく有名かもしれませんね。ゲーム収録されたのもあずみん期になってからですし(確かシャイニーフェスタのみです。ところでこれもPSPなのはなんの因果か)。

 

ゆりしーからあずみんへ。いわば歌い継がれ、前向きな歌詞でこの少し張り詰めた時期の雪歩を支えていたのが『ALRIGHT*』である……勝手ながらそんな認識です。

私がアニメをきっかけにアイマスへのモチベーションを取り戻すことができたのも、雪歩が勇気を振り絞って『ALRIGHT*』を歌ってくれたからでした。

 

ちょっとした身の上話をすると……私自身あまり心が健康な人間ではないのですが、冗談ではなく、ずっと生活の支えとなってきてくれたのが雪歩で、そして雪歩の曲です。

たかがゲーム(いや、アニメ……?)のキャラと、そんな気持ちはなく。ゲーム中の関係性とは逆に、日常では雪歩に慰められ、背中を押されて10年近く生きてきました。

『ALRIGHT*』もその例外ではありません。というより歌詞も相まって、ちょっとだけ光り方が強いですね。

 

で、現実。そう。“これ”は現実なんです。

 

 

最初のピアノの音で気づいてしまいました。

 

気がつくと声にならない声とともに感情が吹き出して。

 

ゆりしー」でも「あずみん」でもなく、「雪歩」とコールを叫ぶ自分がいました。

 

 

 

 

 

2つ目のソロ曲は『ALRIGHT*』。

 

萩原雪歩」の『ALRIGHT*』が。「萩原雪歩」が。確かにそこには存在していました。

 

 

 

5.「萩原雪歩」というアイドル

5月に感じていたもやもやの原因。わかった気がしました。

一つは、私自身が萩原雪歩」という存在を認識“してしまった”、そのショックがあまりにも大きかったこと。

ちょっと抽象的ですが……これまでの私は、どこか自分に言い聞かせるように「雪歩はあくまで、アイマスというコンテンツの1キャラ」というメタな認識をしていたのかもしれません。
これについては理由はわかりません。声優交代を乗り越えながら、雪歩に命を与えてくれたゆりしーあずみんへの感謝の念が強くて、だからこそ逆に、「雪歩」に向き合うことができていなかったのかもしれません。

 

しかし、それはさておくとして、実際はそうではない。「萩原雪歩」は確かに実在します。いや、もっと正確にはずっと実在しているんです。

だってそうでなきゃ、私はどこかでくたばっていたに違いありません。今までずっと背中を押してくれていた存在が、少なくとも私の知覚する世界の中で、「虚構」でも「偶像」でもあるはずがないんです。

そのことを、おそらく5月の時点では気づいていたんでしょう。

お世辞にも広いとは言えない、どこか親近感を覚える劇場で。はっきりと目に見える形で。彼女は私に語りかけてきていたんです。

 

気づくのが、怖かったのかもしれません。

 

そして、モヤモヤの原因はもう一つ。なんだかんだで「次がない」のが“怖かった"のだと思います。

「『次』があるかわからない」。「だからこそ、『今』行動する」。

……そうは言っても、怖いもんは怖いんです。「次がない」。「もしかしたらそうなるかも」なんて。

割り切って行動できているようで、プロミを経て共通言語となっても、実際は割り切れていなかったのだと思います。

 

だからこそ「大丈夫」、と。

プロミと、あの場で形となった残酷な現実を思い出すようなセットリストから紡ぎ出された『ALRIGHT*』は、あの頃の転換期の「わだかまり」にも、今直面している「恐怖」にも、「雪歩」とともに風穴を開けて通り過ぎていきました。

 

穴を掘って埋まりたがるほどに、人一倍臆病な雪歩だからこそ。“怖さ"に人一倍以上に鋭敏であるからこそ。

突破口をこじ開ける力を持った、雲を晴らすような力を持ったアイドルなのだと感じます。

 

ああ、そういえば君、昔から土壇場での根性と、底力がある子だったなぁ。

 

 

6.おわりに

MR ST@GEには“現実”があった。そう感じます。

ずっとそばに居てくれた「雪歩」に、奇妙な話ですがようやく巡り合うことができて。

同時に私自身、ゆりしーのこともあずみんのことも、敬愛し感謝してやまないのだということがハッキリと分かりました。

横浜の劇場は、そんな大切なことを気づかせてくれました。 

 

2018年9月15日。あの事件とちょっぴり近いこの日、劇場に向かう道すがらは秋の雨が降り注いでいました。
しかし、どこか晴れやかな気持ちで劇場を出る頃には、依然曇り空ではありましたが、雨は止んでいました。

 

アイマスも、私自身も、 この先どうなっていくかなんて流石にわかりっこないんですが。

なんとなく「大丈夫」なんじゃないかって。そう思えるんです。